赤ワインと白ワインの違いとは?ブドウ品種や醸造法を徹底解説

普段ワインを選ぶとき、「この場合は赤ワインでなければならない!」「ここは白ワインで行くべきだ」と難しく考えている方はいないと思います。

その時の気分や雰囲気、好みでなんとなく選んでいることが多いはず。

それはあなたが「このシチュエーションにはこのワインが合いそうだ」と経験上知っているからです。

しかしお友達に、「たしかワイン詳しかったよね。赤ワインと白ワインってどう違うの?」と聞かれると、「ウッ」と詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回はそんなあなたに、

「最短30秒で説明できる赤ワインと白ワインの違い」

をお伝えします。

赤ワインと白ワインでは「作り方」が違う


そもそも赤ワインと白ワインでは醸造法=作り方が違います。

白ワインは「果皮」や「種子」を使わない

赤ワインの特徴である「色」と「渋味」。その正体は黒ブドウの「果皮」と「種子」なのです。黒い果皮からは赤い色が、種子からはタンニンが絞り出されます。

一方白ワインは「果皮や種子を取り除いてから」絞ります。そのため色も付きませんし、タンニンもほとんど感じないスッキリとした味わいとなるのです。

そして実は果皮と種子を取り除けば、「黒ブドウからも白ワインを作ることができます」!

実際スパークリングワインとして名高いシャンパーニュには黒ブドウであるピノ・ノワールが使われているのです。

「発酵させてから絞る」か「絞ってから発酵させる」か

赤ワインは「果皮や種子と共にアルコール発酵」→「絞る」という手順で醸造を行いますが、白ワインは「絞る」→「アルコール発酵」と手順が逆になります。

このことから赤ワインは果皮や種子からの抽出成分で複雑な味わいになり、白ワインは雑味のないスッキリとした味わいになるというわけです。

使われる「ブドウ品種」が違う


また赤ワインと白ワインとでは、使われるブドウ品種も違います。

赤ワイン用のブドウ品種は別名「黒ブドウ」とも呼ばれ、果皮の色が濃く、味わいもしっかりしているのが特徴。

一方白ワイン用のブドウ品種は果皮の色が薄く、スッキリと爽やかな味わいのものが多くなっています。

赤ワイン用の主なブドウ品種

カベルネ・ソーヴィニヨン

「黒ブドウの王様」と呼ばれ、世界で最も多く栽培される人気の品種カベルネ・ソーヴィニヨン。

色が濃く、強いタンニン(渋味)を感じさせ、しっかりとした骨格を持つという、皆さんがイメージする典型的な「赤ワイン」品種です。

強いタンニンが口の中をさっぱりと洗い流してくれるため、濃厚なソースがかかったステーキなどの肉料理と相性抜群です。

シラー(シラーズ)

シラーの原産地はフランスのコート・デュ・ローヌですが、現在はオーストラリアでもシラーズと呼ばれ、代表的ブドウ品種となっています。

色はカベルネ・ソーヴィニヨン以上に濃いのですが、タンニンはやや控えめ。フランス産のものは黒コショウのようなスパイシーさを感じさせ、オーストラリア産のシラーズは豊富な果実味が特徴です。

マリアージュ的には鹿肉のような野性味のあるジビエ、ラムなどの少しクセのある肉料理にピッタリです。

※マリアージュ:ワインと料理の相性

ピノ・ノワール

デリケートで栽培することが難しいことから「ワガママなお嬢様」に例えられるのがピノ・ノワールです。

赤い果実のかわいらしい香りと、タンニンが少なくて酸味が強く、ライトでフルーティーな味わい。

軽くて飲みやすいので、ワイン初心者の方や赤ワインが苦手な方にも飲みやすい品種です。

ちなみに世界最高峰のワイン、ロマネ・コンティはこのピノ・ノワール100%で作られています。

鴨料理との相性が最高ですが、ウナギの蒲焼きや焼き鳥といった「タレ」によく合うのも特徴です。

白ワイン用の主なブドウ品種

シャルドネ

世界中で栽培される「白ワインの女王」、それがシャルドネという品種です。

品種独特の個性はなく、テロワール(ブドウの栽培環境)によって様々な味わいに変化するのが特徴。

寒い地域のものは柑橘系の香りとキリッとした酸が特徴となり、温暖な地域のものはトロピカルな香りとボリューミーな味わいとなります。

そのため寒い地域のもの(シャブリなど)は魚介類に、温暖な地域のもの(カリフォルニアなど)はチキンのクリームソースといったこってりしたものにマリアージュします。

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランの原産地はフランスのボルドー地方ですが、現在ではニュージーランドでの栽培が最も盛んで、事実上の国際標準となっています。

ハーブや緑の野菜、草原のような青っぽい清涼感のある香りに強めの酸。最後にほんのりと苦みが残り、非常に爽やかな味わいです。

最も相性が良いのはシーフードサラダ。ソーヴィニヨン・ブランの爽やかさが魚介の味を引き立て、ほんのりとした苦みが野菜に寄り添います。

リースリング

超高級甘口ワインからスッキリとした辛口ワインまで、様々なスタイルに変身するリースリング。

ドイツ原産で、以前は甘口ワインが主流でしたが、現在はフランスのアルザス地方の辛口が人気となっています。

豊富なミネラル感に加え、シャープな酸味とみずみずしい果実味が特徴。熟成させるとハチミツのような香りが漂います。

実は日本食に一番合うのがこのリースリング。お寿司から焼き魚、お鍋まで幅広くマリアージュします。

赤ワインと白ワインでは「味わいの表現方法」が違う


ワインを選ぶときよく「フルボディ」とか「ライトボディ」という表現をします。しかしこの「ボディ」という表現、ほぼ赤ワインでしか使われないって知っていましたか?

赤ワインと白ワインでは味わいの表現方法も異なるのです。

赤ワインは「ボディ」で表現

下の表で分かるとおり、フルボディとライトボディの差は「色」や「タンニンの強さ」です。

そのため色合いに大きな差がなく、タンニンもあまり感じられない白ワインでは「ボディ」という表現が用いられにくいのです。

--- 味わい アルコール度数 品種
フルボディ 色が濃い・タンニン強い・どっしり 15%前後 カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなど
ミディアムボディ フルとライトの中間 13%前後 メルローなど
ライトボディ 色薄め・タンニン弱い・軽やか 11%前後 ピノ・ノワールなど

白ワインは「辛口・甘口」で表現

一方白ワインでは「辛口・甘口」といった味わいで表現されることが多くなっています。

もちろん温暖な地域のシャルドネなどは「どっしりとした」というフルボディ的な表現をされることもありますが、あくまでも「どっしりした↔スッキリした」という表現になります。

赤ワインと白ワインでは「マリアージュする料理」が違う


これまでみてきたとおり、赤ワインと白ワインでは味わいが全く違います。

そのため合わせる料理=マリアージュする料理も当然異なってくるわけです。

赤ワイン=肉、白ワイン=魚介ではない?!

よく「肉には赤ワイン、魚には白ワイン」といわれます。間違いではありませんが、これはかなり大雑把なマリアージュです。

実際には魚介によく合う赤ワインもありますし、お肉に合う白ワインもあるからです。

基本は「料理の色」に合わせる

マリアージュの基本は、**「ワインの色と料理の色を合わせる」**ことです。

例えば肉料理でも、牛肉やラムなどは「赤い肉」ですが、ポークやチキンは「白い肉」です。

従って赤い肉には赤ワインが、白い肉には白ワインがよく合います。

魚介料理も同じです。マグロなどの赤身の魚には赤ワインが合いますし、白身の魚にはやはりスッキリとした白ワインがマリアージュします。

また魚介のトマトソース煮込みなどは「赤い料理」ですから、やはり軽めの赤ワインなどがマッチするのです。

フルボディの赤ワインに合う料理

カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、マルベックといったフルボディのワインの特徴は「豊かなタンニン」です。

タンニンは料理の脂や濃い味付けを洗い流し、口の中をさっぱりとさせてくれます。

そのため牛肉や羊肉のステーキやバーベキュー、そしてクラッシックなフランス料理によく合います。

もちろんビーフシチューなど、赤ワインで煮込んだ料理との相性は最高です。

ライトボディの赤ワインに合う料理

ピノ・ノワールやボジョレー・ヌーボーに代表されるガメイといったライトボディのワインの特徴は「豊富な酸」です。

そこで同じく酸味のあるトマトソースを多用するイタリア料理と良くマリアージュします。

またピノ・ノワールは和食の基本である「甘辛い醤油味」との相性が抜群。そのためすき焼きやウナギの蒲焼き、焼き鳥などの和食ともよく合うのです。

しっかりとした白ワインに合う料理

温暖な地域で作られたシャルドネなど、しっかりとした白ワインには魚介類よりもむしろ肉料理の方がよく合います。

ボークソテーやチキンソテー、クリームシチューなどと合わせれば、そのトロピカルな香りが肉の旨味を引き立て、素晴らしいマリアージュとなります。

和食の場合は、西京焼きなどにベストマッチです。

軽めの白ワインに合う料理

ソーヴィニヨン・ブランやイタリアのソアーヴェといった軽めの白ワインは、柑橘系の爽やかな香りと、スッキリとした味わいが特徴です。

料理の邪魔をしないので、基本的にどのようなものにも合わせやすいのですが、特にシーフードサラダのような魚介と野菜を組み合わせたものにピッタリです。

和食にも合わせやすく、お刺身や焼き魚などもいいですし、ちょっと苦みのある春野菜などには無類の相性の良さを見せます。

まとめ

「赤ワインと白ワインは使われているブドウ品種が違います。またブドウの果皮と種を一緒に使う赤ワインは色が濃く、強いタンニンのワインとなり、果皮と種を取り除いてから醸造する白ワインは、色が淡く、スッキリとした味わいとなるのです」

ここまでで約30秒。

「赤ワインと白ワインってどう違うの?」と聞かれたら、とりあえずこの通りに答えてみてください。

そしてさらに突っ込まれたら、「フルボディってね、赤ワインにしか使わないんだよ」とか「マリアージュの基本は料理の色に合わせるんだ」とこの記事で得た知識を披露してみましょう。

「さすが!詳しいねえ」と軽くリスペクトされるのは間違いありません。

ぜひ試してみてください。