土着品種を知る|イタリアワインを語る上で欠かせない

「この土地にしか存在しない」そんなブドウ品種を「固有品種」といいますが、生まれた土地で育った固有の遺伝子を持つブドウ品種を「土着品種」といいます。

ワインづくりの歴史がフランスより長いイタリアでは土着品種が豊富で、政府公認の品種だけでも400種以上。

認定外も含めればなんと2000種以上あるといわれています。

連綿と受け継がれてきた遺伝子とテロワールが合わされ、ほかにはない個性的なワインが生まれる。

この多様性こそがイタリアワインの魅力です。

今回はブームとともに注目が集まっている、イタリアの土着品種について知識を深めていきましょう。

土着品種が豊富な理由


世界中でワイン用にブドウは栽培されていますが、こんなにも土着品種が多いのはイタリアだけ。

その理由はいくつかありますが、最初に挙げたいのは“ブドウを育む気候と風土”です。

南北に伸びた細長いブーツのようなイタリアの国土は温暖で日照量にも恵まれ、ブドウ栽培に適した気候です。

しかし日本の沖縄と北海道のように、南北ではかなり気候が違います。

山脈沿いと海沿いではテロワールも大きく変化するので、当然ながら栽培方法も異なります。

このように気候や風土に富んだ環境が多種多様な品種を生み出したと考えられます。

 

次に考えられるのが“地方ごとの文化の違い”です。イタリアは1861年まで小都市国家の集まりでした。

そのため宗教や言語なども地域により異なり、文化が別々に発展していったのです。

伝統や習慣の違い……そうした背景が豊富な土着品種を生み出すきっかけをつくったといえるでしょう。

 

3つ目に注目したいのが“地産地消”の考え方です。

1986年にイタリアからはじまったスローフード運動。

この運動からもわかるように、イタリアでは伝統ある調理法を守っていくことやゆったりと楽しみながら食事をすることは当たり前のことなのです。

こうした地産地消を心がけた文化が根付いているからこそ、土着品種も大切に育てられてきたのです。

要チェックの土着品種

品種が多すぎて、なかなか覚えられないイタリアの土着品種。

そこで「これだけは覚えておくべき」という品種をピックアップしてご紹介します。

サンジョベーゼ(黒ブドウ)

主にトスカーナ地方で栽培されています。

イタリアで最も多く栽培されている品種で、イタリアを代表する高級ワイン「キャンティ」の原料にも使われています。

バルべーラ(黒ブドウ)

主にピエモンテ州とロンバルディア州で栽培されています。テーブルワイン用として多用されているブドウ品種です。

トレッビアーノ(白ブドウ)

ほぼイタリア全域で栽培されています。デイリーワインとして使われています。

ガルガーネガ(白ブドウ)

主にヴェネト州で栽培されています。さっぱり辛口タイプのソフトな白ワインになります。

イタリアワインを土着品種で選んでみる

イタリアでは土着品種ではなく、国際品種で人気が高いブドウ品種を使ったワインもつくられています。

これらもとても評価が高いのですが、イタリアワインを知りたいのなら、まずは土着品種を使ったワインを飲んでみてください。

地域の風土に合わせたワインがつくられているので、郷土料理や名物などをお供にすると相性抜群。

新しいワインとの出会いに、きっとあなたもイタリアワインの虜になるでしょう。